引っ越しや模様替えで出てくる大きな家具や家電。
名古屋市でこれらを処分するには「粗大ゴミ」として適切な手続きを踏む必要があります。
中でもややこしいのが、事前申し込みやシールの購入・貼付といったルールです。
「どこで買うの?」「どう貼るの?」と迷う方も多いはず。

この記事では、名古屋市での粗大ゴミ処分の流れと、手数料シール(処理券)の購入・使用方法をわかりやすく解説します。回収のタイミングや持ち込み方法なども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
名古屋市で粗大ゴミに該当するもの

粗大ゴミの定義と具体例
名古屋市では、「おおむね30センチ角を超える大型ごみ」が粗大ごみと定義されています。
つまり、家庭から出る家具や大型家電のうち、通常のごみ袋に入らないものが該当します。たとえば、タンス、ベッド、ソファ、自転車、布団、電子レンジなどが典型的な粗大ゴミです。
ただし、同じアイテムでもサイズや重量によっては、粗大ゴミとして出す必要がないケースもあります。
たとえば、小さく解体して指定袋に収まる衣装ケースやラックなどは、可燃ごみやプラスチックごみとして処分できる場合があります。
一般ゴミとの違いに注意
粗大ゴミと通常のごみ(可燃、不燃、資源など)との違いは、処分の手間やルールにも現れます。
通常ごみは決められた曜日に出せばよいのに対し、粗大ゴミは事前に申し込みが必要で、手数料シール(粗大ごみ処理手数料納付券)を貼り付けるルールがあります。
また、収集日も申し込み後に指定されるため、すぐに処分できるわけではありません。
さらに注意すべき点として、粗大ゴミの中には名古屋市では回収できないものもあります。
ピアノ、タイヤ、消火器、耐火金庫などがその代表例です。
また、家電リサイクル法の対象となるテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンも市では収集しないため、販売店や専門業者に依頼する必要があります。
このように、粗大ゴミの分類には複数の条件と例外が存在するため、迷ったときは名古屋市の粗大ごみ受付センターに問い合わせて確認するのが確実です。
名古屋市粗大ごみ受付センター:0120-758-530
正しく分別すれば、スムーズな処分につながり、トラブルも未然に防げます。
粗大ゴミ処分前に確認すべきこと
まだ使える物はリユースも検討
粗大ゴミとして捨てる前に、本当に処分が必要かを一度見直してみましょう。
名古屋市では「民間事業者と連携してリユース(再利用)」を推進しており、家具や家電など、まだ使えるものは再利用することが推奨されています。
実際に、市では「リサイクルステーション」や「無料回収イベント」などを開催していることもあります。
また、リサイクルショップやフリマアプリ、地域の掲示板などを活用すれば、処分する予定だった家具を必要としている人に譲ることもできます。
とくにソファや棚、子ども用の家具は需要が高く、まだ使える状態であれば引き取り先が見つかることも珍しくありません。
処分費用をかけずに手放せる可能性があるため、リユースは経済的にも合理的な選択肢です。
市では収集できない品目に注意
名古屋市では収集できない粗大ゴミが明確に定められています。
たとえば、ピアノ、消火器、タイヤ、バッテリー、バイク、ガスボンベなどは、安全性や処理方法の関係で市では回収していません。
これらを出してしまうと、回収されずに放置されたり、不法投棄と見なされる恐れもあります。
さらに、家電リサイクル法の対象製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)も、市の粗大ゴミには出せません。
これらは購入店舗または家電量販店に回収を依頼するか、指定取引所へ持ち込む必要があります。
処分方法を誤ると、法的トラブルになる場合もあるため、特に注意が必要です。
粗大ゴミとして出せるかどうか不明な場合は、名古屋市の「粗大ごみ受付センター」に問い合わせれば丁寧に教えてもらえます。
名古屋市粗大ごみ受付センター:0120-758-530
事前確認は、無駄な費用や再手続きのリスクを避けるためにも重要です。
名古屋市での粗大ゴミ処分方法
インターネットで申し込む方法
名古屋市では、粗大ゴミを自宅前まで回収してもらう「戸別回収」を利用するには、事前申し込みが必須です。
最も手軽なのが、名古屋市粗大ごみ受付センターのインターネット受付サービスです。
公式サイトにアクセスし、氏名・住所・電話番号・品目・サイズなどを入力すれば、最短5分ほどで申し込みが完了します。
申し込み後には受付番号と収集日が表示され、それをメモしておく必要があります。
受付は24時間いつでも可能ですが、収集希望日の7日前までに申し込む必要があるため、引越し前や予定がある方は早めに手続きを済ませましょう。
電話で申し込む場合の流れ
インターネットの利用が難しい場合は、電話での申し込みも可能です。
名古屋市粗大ごみ受付センター(0120-758-530)に連絡し、オペレーターに必要事項を伝えます。
受付時間:午前9時から午後5時(土・日・年末年始を除く)祝日は受付可
インターネット同様に、品目・サイズ・収集希望日などを伝えると、受付番号と収集日を案内されます。
この受付番号は、購入したシール(手数料納付券)に記入する際に必要となるため、必ずメモしておきましょう。
回収日の朝に出すルール
申し込んだ粗大ゴミは、指定された収集日当日の朝8時までに指定された収集場所へ出す必要があります。
収集員が安全に回収できるよう、道路にはみ出さないように配置することが大切です。
出す場所は、申し込み時に「どこに出せばいいか」も指定されるため、それに従ってください。
また、ゴミには「シール(手数料納付券)」を貼る必要があります。
貼り方や必要な枚数は、次のセクションで詳しく解説しますが、受付番号を記載したシールを見やすい場所にしっかり貼ることが基本ルールです。
ルールを守らないと収集してもらえないことがあるため、日時や方法は必ず守りましょう。
特に年末年始や引越しシーズンは混み合うため、早めの行動が大切です。
粗大ゴミシール(手数料納付券)の購入
名古屋市で粗大ゴミを出すには、申し込み後に「シール(手数料納付券)」を購入して、対象のごみに貼り付ける必要があります。
このシールは、市内の以下の指定販売店で購入できます。
- コンビニ:セブンイレブン、ファミリーマート(一部店舗除く)、ミニストップ
- スーパー:スーパーヤマダイ、生活協同組合コープあいち、ナフコ不二屋、バロー、フィール、ヤマナカ
- ドラッグストア:ドラッグスギヤマ、B&Dドラッグストア
- その他:徳川公設市場 ボン・マルシェとくがわ、名古屋市公設市場 タッチもとこい内衣料品店、名古屋酒販協同組合、米増商店)
支払いは現金のみが基本ですが、店舗によっては電子マネーなどに対応しているケースもあります。
料金は品目ごとに異なり、シールの額面は250円、500円券の2種類あるため、申し込み時に案内された金額分を購入してください。
なお、シールは返品又は交換ができません。
金額を間違えて買ってしまうと使えない場合もあるため、購入前に案内された金額と品目をしっかり確認してから購入するようにしましょう。
粗大ゴミシールの貼り方の注意点
正しい貼り付け位置とタイミング
粗大ゴミシールは、粗大ゴミ本体に収集当日の朝8時までに貼り付けておく必要があります。
貼り忘れや貼り付け位置が不適切だと、収集されずに放置されてしまうケースもあるため注意が必要です。
貼る場所は、収集員が一目でわかる位置、かつ剥がれにくい面が推奨されています。
たとえばタンスや棚などの家具なら、扉の表面や天板などに。
布団やマットレスの場合は、ビニールでまとめた表面の見やすい箇所に貼るのが一般的です。
また、シールには氏名または受付番号を記入する欄がありますので、忘れずにボールペンで書き込みましょう。
貼るタイミングは、回収当日の朝でも構いませんが、忘れるとトラブルの原因になるため、前日夜までに貼っておくと安心です(※ただし早すぎる搬出は迷惑になるため、夜間や早朝に出す際は周囲への配慮が必要です)。
剥がれやすい場所は避けよう
粗大ゴミシールは紙製で粘着力もそこまで強くないため、表面がザラついていたり湿っていたりすると剥がれてしまうリスクがあります。
特にプラスチック製品や布製のソファ、濡れているマットなどには、注意が必要です。
こうした場合は、透明なビニールテープなどでシールの上から軽く留めておくと安全です。
文字が読めなくなるほど覆ってしまうと確認できなくなるので、あくまで補助的に固定する程度にとどめましょう。
また、風の強い日や雨天などの天候によっても剥がれることがあります。
可能であれば、雨に濡れない場所や風の影響を受けにくい壁際などに出すのも一つの方法です。
複数枚貼るときのコツ
大型の粗大ゴミや複数の料金区分が必要な場合は、複数枚のシールを貼る必要があります。
この際、シールは1カ所に重ねず、横並びに分けて貼るのが基本です。
収集員が見やすいように配置することで、間違って回収されないリスクを減らせます。
また、各シールにそれぞれ氏名または受付番号を書く必要はなく、1枚だけに記載すればOKです。
記入済みのシールを中心に、補助シールを左右に貼るとバランスよく配置できます。
誤って他の自治体のシールを貼ったり、手数料額が足りなかったりすると回収対象外となるので、金額や貼り方には十分注意してください。
自分で処理施設に搬入する場合

持ち込み可能な施設と受付方法
名古屋市では、粗大ゴミを自分で処理施設へ持ち込む「自己搬入」も可能です。
大量の粗大ゴミを一度に処分したい場合や、回収日まで待てないときに便利な方法です。
持ち込む際は、搬入の前に必ずごみが発生する区の環境事業所で受付を済ませてから行く必要があります。
予約なしでは受け付けてもらえませんので注意してください。
受付時には、住所・氏名・持ち込み予定の品目・数量などを伝えます。
施設によって受付時間や搬入条件が異なるため、予約時に詳細を必ず確認しておきましょう。
名古屋市で粗大ごみを自己搬入する場合は、事前に受付を行い、港区にある大江破砕工場へ搬入します。
なお、破砕困難なものについては、岐阜県多治見市の愛岐処分場が指定されています。
自己搬入の料金と手続き
自己搬入での処分には重量に応じた処理手数料がかかります。
処理施設で計量を行い、10キログラムまでごとに200円の処理手数料を現金で支払う必要があります。
たとえば、50kgの粗大ゴミを持ち込んだ場合、1,000円の処理手数料が発生します。
料金は現地の窓口で現金で支払います。
当日は、粗大ゴミを車に積み込み、予約した施設に向かいます。
入口で受付を済ませると、係員が荷物の内容や重さを確認し、係員の指示に従って料金を支払い、ゴミを降ろします。
持ち込めるゴミの種類や数量に制限があるため、大量の場合や特殊な品目が含まれる場合は、事前に電話での確認をおすすめします。
また、施設によっては積み下ろしを自分で行う必要があるため、力仕事が苦手な方は戸別回収を選ぶ方が無難です。
自己搬入は時間や手間はかかりますが、費用を抑えて確実に処分できる手段の一つです。
粗大ゴミの処分に関するよくある質問
Q. 粗大ゴミシール(処理券)はどこで買えますか?
A. 粗大ゴミシール(手数料納付券)は、市内の以下の指定販売店で購入できます。
- コンビニ:セブンイレブン、ファミリーマート(一部店舗除く)、ミニストップ
- スーパー:スーパーヤマダイ、生活協同組合コープあいち、ナフコ不二屋、バロー、フィール、ヤマナカ
- ドラッグストア:ドラッグスギヤマ、B&Dドラッグストア
- その他:徳川公設市場 ボン・マルシェとくがわ、名古屋市公設市場 タッチもとこい内衣料品店、名古屋酒販協同組合、米増商店)
Q. 申し込んでから実際に回収されるまで何日かかりますか?
A. 通常は申し込みから回収までに1週間〜10日ほどかかります。
繁忙期や希望日時によってはさらに遅れる場合もありますので早めに申し込むのが確実です。
Q. 土日でも粗大ゴミを自己搬入できますか?
A. 土曜日、日曜日は搬入ができません。
月曜日から金曜日であれば祝日でも搬入できます(年末年始は除く)。
祝日は自己搬入が通常より多く場内が大変混雑するため、可能であれば平日に搬入するのがおすすめです。
持ち出しが困難な場合は不用品回収業者の利用も検討
高齢者・単身者向けのサポート
粗大ゴミは大きくて重たいものが多く、自宅の外まで運ぶのが難しいという方も少なくありません。
特に高齢者や一人暮らしの方にとって、ソファやベッドなどを玄関先まで出す作業は大きな負担になります。
そうした場合には、市の戸別回収ではなく不用品回収業者を利用するという選択肢があります。
不用品回収業者は、自宅の中まで引き取りに来てくれるため、搬出作業をすべて任せられるのが最大のメリットです。
また、電話やネットで見積もりやスケジュール調整ができ、希望日時に合わせて回収してもらえるので、急ぎの場合にも対応可能です。
名古屋市には適正な許可を取得している業者も多く、安心して利用できる事例も多数あります。
ただし、費用は市の粗大ゴミ回収に比べて高くなる傾向があるため、事前の見積もりと説明内容の確認が重要です。
業者利用時の注意点と見極め方
不用品回収業者を利用する際には、法律上「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要とされていますが、実際にはこの許可を取得していない業者も多く存在します。
そのため、許可の有無だけで判断するのではなく、口コミ評価や行政・法人との取引実績などを含めて総合的に判断することが大切です。
安心して依頼できる業者を選ぶためには、以下のようなポイントを確認しましょう。
- ホームページに所在地や固定電話番号など運営実態が明記されている
- 見積書を事前に提示してくれる
- 作業内容や追加料金の有無を明確に説明してくれる
- 利用者からの口コミ評価が一定以上ある
また、「無料回収」をうたう業者には注意が必要です。
実際には回収後に高額な作業費を請求されたり、不法投棄されたりする恐れもあります。
信頼できる業者を選ぶためにも、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
粗大ゴミを安全かつスムーズに処分するためには、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
体力的・時間的に搬出が難しい方にとって、不用品回収業者は強い味方になります。
まとめ
名古屋市で粗大ゴミを処分するには、ルールに従って事前の申し込み・シール購入・正しい出し方をすることが大切です。
この記事を読んで手順を把握すれば、誰でも迷わずスムーズに処分できます。
この記事のポイントまとめ:
- 粗大ゴミの定義は「おおむね30センチ角を超える大型ごみ」
- 戸別回収は事前申し込みとシールが必須
- シールは名古屋市内のコンビニ等で購入できる
- 正しい貼り方と回収日の確認が重要
- 自己搬入や業者利用など複数の方法がある
- 回収不可品目やリユースの選択肢にも注意
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